長い長い休みが明け、

また今日から

学校への往復が始まる。


生ぬるい暑さの中、

真由は杏奈と

並んで歩いている。


その歩みは

いつも以上に遅く

足取りは重い。


「あーあ。

 あっという間に

 終わっちゃったよー」


深い溜息を付きながら

杏奈が言う。


「本当だね。

 なんで夏休みって

 早いんだろうね」


頷きながら

真由は杏奈に同意する。


「もっともーっと遊びたーい!」


周囲の人が一斉に

振り返る程の声で杏奈が叫ぶ。


「ちょ、ちょっと杏奈。

 恥ずかしいよ……」


真由の方が

恥ずかしさで顔を真っ赤に

させていると、

杏奈は手を合わせて

真由に軽くウインクした。