初恋-はつこい-

詩織のお陰で圭輔の誤解が解け、

真由の胸のつかえがすっと取れ、

スッキリとした気持ちで

本番を迎えられそうだ。


舞台袖で

真由たちの前の学校の

演奏を見守る。


コンクール独特の

何とも言えない緊張感が、

部員全員を包み込んでいる。


真由はそっと詩織に近付いた。


「詩織ちゃん」


真由の小さな呼び掛けに

詩織が振り向く。


「さっきは……

 本当にありがとう」


感謝の気持ちを伝えると

詩織はにっこりと微笑み、

「先輩、頑張りましょうね」

と明るく励ましてくれた。


真由も詩織に微笑んだ。


と、会場から

拍手の音が聞こえてきた。