「……は、はい」


詩織の顔には笑顔はなかったが、

真由にとっては

手紙を拒否されなかったことが

嬉しかった。


真由はもう一度

詩織に心からの笑顔を見せて

その場を去った。


詩織は真由からの手紙を暫く眺め、

一瞬丸めようと手を動かしたが

それを止め、

ゆっくりと手紙の封を開けた。