「ない、ない。

 小っちぇー時から知ってる

 ってだけだよ」


圭輔の姿を見て

真由はパンパンの風船が

破裂したように

全身の力がどっと抜けた。


「大丈夫か」


真由の姿に圭輔は驚き、

声を掛ける。


「う、うん。大丈夫。

 わ、私てっきり……」


真由がそう言いかけた時、

圭輔がかぶせるように言った。


「少なくても

 俺には恋愛感情はないよ」


テーピングをし終えた圭輔は、

右手を軽くあげながら

保健室をあとにした。