初恋-はつこい-

「あいつ……長嶋と俺は……」


“付き合ってるんだ”


その言葉を

圭輔の口から聞くのが怖くなり、

真由はとっさに耳をふさいだ。


……やっぱり、

香坂君から聞きたくない。


恐怖のあまり真由は全身を震わせる。


その姿を心配そうに圭輔が見つめる。


そしてまるで

ガラス細工を扱うかのように、

そっと真由の肩に手を触れた。


「どうしたの、菅野さん」


真由の耳元で圭輔が囁く。


その柔らかで温かい声に

真由の身体の緊張がほぐれる。


耳に当てていた手をゆっくりと離し、

潤んだ目で圭輔を見た。