「ん、そう。

 リレーとかって激しい時、

 テーピングしないとさ。

 また痛めちゃうんだよね」


「そ、そうなんだ。

 た、大変なんだね」


「ん、まぁね」


こうして

圭輔と話せるようになって、

真由は幸せを感じていた。


その時ふと真由の心に

あの言葉が響いた。


―――大丈夫か、玲子―――


圭輔が玲子を

呼び捨てで呼ぶ理由が知りたくなり、

真由は勇気を出して

圭輔に話を切り出した。


「あ、あの……。香坂君」


「ん、何」