もっと香坂君と話してみたいな……


そう思いながら、


でも今のこの関係も悪くないのでは

と感じていた。


コン、コン―――


ドアのノックの音が部屋に響く。


「何ぃ」


真由がドアの方に声を掛ける。


ドアが開き、真由の母親が顔を出した。


「ねぇ、真由。

 ちょっとお買い物行ってきてくれない」


「うん、分かった。

 何買ってくればいい?」


「お味噌。お願いね」


母親はそう言うと

真由にお金を渡し、ドアを閉めた。