コロコロ。 私は黙って手を引かれながら、アメを転がし続ける。 コロコロ。 レモン味は少し酸っぱい。 コロコロ。 でも、甘い。 カリッ――…… ちょっと噛んでみた。 コロコロ。 でも味は変わらない。 「……香月。このレモン味、美味しい」 私は、前を歩く男の背中に向かって話しかける。 すると、 「美味しいのか。それは良かったな、琴美」 と香月は笑い混じりに言った。 私は小さく「うん。」と答えた。