ガリガリッ グレープ味のアメを口の中で噛み砕く。 それはイライラを発散するように。 ガリガリと。 「不機嫌だな。琴美」 苦笑したような男の声が隣から聞こえた。 ガリガリ。 しかし私は男に目をやることなく、アメを噛み砕き続ける。 「今回の仕事、そんなにやなのか?」 「…………。」 ガリガリ。 無言でアメを噛み砕く。 そんな私を見つめながら、 「俺も、今回の仕事は面倒だ」 と男は言った。