無口な猫の手懐け方法。


「アメ?? あるけど、イチゴ味のが」


「それ、頂戴」


「いいよ。はい」



イチゴ味のアメを斎藤から貰い、今舐めてるレモン味がなくなったら食べようと思い、制服のポケットにしまう。



「御堂はアメ好きなの?」


「うん。大好き」



素直に頷くと、斎藤は「御堂は可愛いね」と言ってクスクスと笑った。


これは香月と同じく、完璧に子供扱いされてるな。


ちょっと腹立つ。






「そういえば、さっき理事長室で黒澤と仕事がどうとか言ってたけど、何の事?」



突然、全く違う話に変わって私は少し驚く。



「……何で?」


「なんか気になってね? もしかして企業秘密で教えてくれない?」


「いや、そんな口止めは誰からもされていない」


「じゃあ教えてくれない?」