あくしゅ。

その流れのまま、

ステージがある所までやってきた。


2人の席は

ステージから見ると後ろの端の方で、

とてもいい場所とは言えなかった。


「凄い人ですよね」


そう葵が呟く。


それに里美は軽く頷きこう言った。


「そういえば、

 葵さんはこういうイベント

 初めてなんですか?」


「はい、初めてです。里美さんは?」


「私もです!

 良かったぁ、初めての人がいて」


里美は心から嬉しく思った。


自分と同じ人と行動を共に出来て、

とても安心したのだ。


「ジェイクに会えるなんて

 夢のようです!」


葵の言葉に里美は賛同した。


「本当!

 まさか会えるなんて

 思ってませんでした!」


2人は手を取り合い喜びを分かち合った。


ふと、会場の照明が暗くなり始めた。


予定では

開演まであと数分ある筈なのだが、

どうやらその予定も早めたようだ。


すっかり辺りは真っ暗になり、

穏やかで綺麗な音楽が流れ始めた。