「君には落ち着くまで暫くの間、

 自宅で待機してもらいたい」


「自宅、待機……ですか?」


突然の事に

里美は話が理解できずにいた。


「そうだ。

 こんなマスコミにからまれたんじゃ、

 仕事が出来ん」


「……本当に、申し訳ございません」


涙が出そうになるのをこらえながら

里美はお詫びをした。


「会社の裏口から帰りなさい。

 私が連絡するまで待機だ」


「……はい」


自分の事で

会社に多大な迷惑を

掛けてしまった事に、

里美は大きなショックを受けながら、

部長に指示された通り

裏口を使って帰宅した。