ジェイクのマネージャーのトムだ。


前回会った時とは違い表情が固く怖い。


「あの、……中へ、どうぞ」


里美が恐る恐る言うと

トムの鋭い声が響いた。


「いえ、ここで結構です」


ほんの1分間、冷たい時間が流れた。


里美はどこかへ逃げ出したい

衝動に駆られる程だった。


「あの、里美さん」


「は、はい!」


トムの呼び掛けに

自然と背筋が伸びる。


「あなたに大事な話があります」


里美はトムの迫力に

1歩下がってしまった。