また別れの朝

本当は目が覚めるのが
怖かった

先生と向かい合って
飲むコーヒーは
昨日より苦かった

荷物を整えている先生の手を掴んだわたし

『夏海…』

先生がわたしを
抱きしめた

抱きしめるその手が
少しだけ震えていた

先生の心臓の
鼓動が聞こえる

『今度は夏休みに
会おうな』

頷くわたしの目から
涙が落ちる

ギュッと先生に
しがみつく

それに答えるように
先生の腕に力が入る

何度もキスをする

何度も愛を囁く

離れたくない気持ちと
裏腹に、時間だけが
過ぎていった

荷物をまとめて
車に積み込む

『ちょっと、出よっか』

『え?うん』