『今日はどうする?
どっか行く?』

わたしの問いかけに
先生は

『このままのんびり
してるのもいいかなぁ。でもせっかくだから
どっか行くか!』

『うん!』

でも、どこに?

卒業したとはいえ
この辺を一緒に
歩くなんて
無理なんじゃないかな

誰かに見られたところで問題はないんだろうけど

でも少しだけ不安

わたしの不安を
悟ったかのように
先生は言う

『不安か?
少し遠くにする?』

『うん。何となく
怖いかも』

『怖い?もう誰の目も
気にしなくていいとは
思うんだけどな』

『それでも
まだちょっと』

先生は無理強いはしない

そして

『じゃあ、出かけよ!』

そう言って
わたしたちは家を出た