みどりと一緒の帰り道

口数も少なかった

話す気分にもなれない

高校でもバスケを
やっていくつもりでいた

それが当たり前だと
思っていた

みどりと一緒に
凌に電話をした

『うちの学校
バスケ部は
ないんだってさ』

凌にその言葉を
告げているみどりの顔が悲しそうだった

電話の向こうの凌は
しばらく何も
言わなかった

言わなかった
んじゃなくて
言えなかったんだと思う

今日、凌は入部届を
出してきたらしい

『お前たちの分も
頑張るから』

凌の精一杯の
気持ちだったんだ
きっと

何だか、蛻の殻
みたいに
なってしまった

楽しみを奪われた

そのショックは
大きかった

いつもより低めの
声のトーンでみどりに
バイバイと言った

みどりもまた
声が小さく低いまま
バイバイと言っていた