もう暗くなりかけていた夕方、先生から
電話がきた

『今着いたよ。
こっちに来てすぐ
片付けとか
もうバタバタだよ』

『無事に着いて
良かった。
疲れたでしょ?』

平常心を装った

先生の声がわたしの胸をドキドキさせた

『夏海が
片付けやすいように
荷造りしてくれたから
楽チンだよ』

『それは良かった。
今日はゆっくり休んで
明日片付け頑張ってね』

『うん、そうだな』

少し遠く感じる先生の声

気のせいなのに

今からこんな気持ちで
どうするんだろう

『夏海』

『ん?』

『愛してる』

『わたしも、愛してる』

『おやすみ』

『うん。おやすみ』