いよいよ来てしまった

勉強はそれなりに
していたつもりだった

わたしは、先生が
くれたシャープペンと
消しゴムをペンケース
に入れて、家を出た

【落ち着いて
いつも通りに頑張れ】

先生からメールが届いた

【うん。頑張るね!】

そう返信した

本当は不安で
たまらなかったのに

みどりは、先輩と
同じ高校に行く事を
やめた

突然の進路変更に
先生は何も聞かないで
書類を書き直してくれたとみどりが言ってた

みどりは
わたしと同じ高校を
受験する事を選んだ

凌は、この辺では
一番の進学校を受験する

高校は離れ離れに
なってしまう

だけど、それぞれが
自分で選んだ道

今はただ
頑張るしかなかった

答案用紙に向かうと
名前を書こうとしていた手がとても震えていた

先生、助けて…

目を閉じて、胸に
手を当てて、先生の事を呼んでいた

脳裏に浮かぶ先生は
微笑んでいて
わたしに勇気をくれた

何度も同じ事を
繰り返して、ようやく
長かった受験戦争が
終わりを告げた