夏海には悪いけど
山本が、そんなに夏海を想っているなんて
驚いてしまった

驚きとともに
安心した

大人にもこんな感情が
湧くんだと、安堵感で
いっぱいになった

もう昔みたいに
夏海の悲しい笑顔を
見なくて済むんだ

『本気なんだな。
それなら、俺は
安心だよ』

『夏海はいい友達を
持ったんだな。
こんなにも心配して
くれるんだもんな』

コーヒーを一口飲む

『違うんだよ』

俺の言葉に
不思議そうな顔を
している