夏海の幸せそうな顔は
心の底から
幸せな顔だった

夏海のそんな顔を
久しぶりに見た

信じられなかった
わけじゃない

だけど、本当に
夏海を幸せに
してくれるのか
聞きたかった

ふざけた気持ちなら
力ずくでも
辞めさせてやる

俺は山本の家に向かった

玄関の扉を開けて
俺の顔を見て
ビックリしながらも
快く招いてくれた

『適当に座って。
コーヒーでいいか?』

『おう。
気ぃ遣わせるつもりで
来たんじゃねぇから』

山本と
向かい合って座る

『夏海との事
聞きに来たんだろ?
夏海から何も
聞かなかったのか?』

タバコに火をつけながら問いかけてくる

『俺、かおりの事
送ってったりして
夏海からは何も
聞いてないんだ』

『そっか。彼女には
言わないでくれよな』

言えるわけねぇだろ…

タバコの煙をはく
仕草がかっこよくて
少しイラつく