『楽しかったか?』

先生はわたしの
手を握りながら
運転していた

『うん。写真が
出来上がったら
見せてあげるね』

わたしも先生の手を
しっかり握った

先生は、わたしの
家とは反対方向に
車を走らせた

『先生、どこ行くの?』

『海が見たい。いい?』

『うん』

先生と初めてキスをしたあの海に向かった

信号で止まるたびに
先生はわたしを見つめた

わたしの心臓は、また
ドキドキを早めていた