『どうしたんだよ?』

『悩みでもあるのか?』

『俺が力になるから』

先生はわたしに優しく
声をかけてくれていた

その優しい気持ちが
またわたしの胸を痛める

ここで告白したとしたら気持ちが軽くなるのかな

それとも今まで以上に
落ち込んでしまうかな

『まず座って話そう』

先生は、わたしの席の
隣に来て、わたしを
椅子に座らせてくれた

どうしていいのか
わからなくなっていた

『ゆっくり話して。
俺に出来る事だったら
何でも協力するから』

先生は、わたしの
隣の椅子に座っていた

長い長い沈黙の後で
わたしはポソッと言った

『先生が出来る事は
何もないから』

先生は目を細めた

少し首をかしげて言う

『俺、そんなに頼りに
ならないのかな?』

ちょっと困った様子

『そうじゃないけど
今は先生が解決出来る
問題じゃないから』

『話すだけで楽になれるかもしれないだろ?』

先生は、そのまま
食い下がる事なく言う

『わたし自身の
問題だから
そっとしといて!』

思わず乱暴な口調に
なってしまった

せっかく落ち着いた涙がまた溢れてきた