わたしは窓から見える
夕焼けの空を見上げた

オレンジに染まった
夕焼け空を見ていると
ふいに涙が溢れてきた

先生を好きになって
自分でもどうしていいかわからなくなっていた

好きになっちゃいけないってわかっていても
気持ちはもうストップ
させる事は出来ない

それなら、いっそのこと先生に気持ちを伝えたら楽になれるのだろうか

結果が見えているなら
吐き出してしまえば
辛さも半減するのかな

それが出来たらわたしはいつもの自分に戻れる?

涙はどんどん溢れた

その時だった

『黒木…だよな?』

教室に響く先生の声

顔を見なくてもわかる

大好きな先生の低い声

何でこのタイミングで…

わたしは慌てて涙を拭う

荷物を手に取ってから
先生の顔を見ないで

『さようなら~』

と言って帰ろうとした

『待ちなさい』

すぐに呼び止められた

それでも先生の顔を
見る事は出来なかった

俯くわたしの隣に来て
顔を覗き込む先生

『泣いてるの…か?』

驚きを隠せない口ぶり

わたしはまた涙が溢れた

わたしは、いつから
こんなに泣き虫に
なってしまったんだろう

自分の弱さに気付く

先生に対しても、何を
言えばいいのかさえも
わからないままで
涙だけが溢れていた