澄み切った青空が広がる学校の窓からの景色

空に向かって思わず手を伸ばしたくなる

空を飛べるんじゃないかなんて思ってしまう

廊下の窓から見える景色に見とれていた

今日は新学年の始業式

わたし、黒木夏海の中学生最後の一年が、今日から始まろうとしていた

『担任、誰だろうね?』

後ろから親友である牧野みどりに声をかけられて、現実へと引き戻されていく

『どうせならかっこいい男の先生がいいなぁ』

わたしは言い返した

『ありえないでしょー』

わたしたちは声を合わせて笑った

『夏海、みどり!そろそろ体育館行くよ』

笑っていたわたしたちを呼んでいる声がした

『わたしトイレに行ってから行くから先に行ってていーよ』

わたしはトイレに向かおうと、みどりに背中を向けて歩き出した

『じゃ、先行ってるね』

とみどりはわたしに背中を向けて歩き出した