ダンナさんにも迷いがありました。
独り暮らしは嫌ですもん。
でも、言葉や文化を学ぶには体験するしかないってことは、よくわかっていました。
日本に通算15年も住めば、いやでもわかります。
ただ、息子が今、アメリカに行く必要があるのかわからない、と言うのです。

それで、ダンナさんにお願いをしました。ご両親が元気なうちに、そして息子が幼い柔軟な時に、家族で引っ越すという大仰なことでなく、「留学」という感じで送り出してもらいたい。

「うんとかわいがってもらおうよ」とダンナさんに言いました。
「いろいろなものを背負わない子供のうちに、めいいっぱいはしゃぎまわって、アメリカが大好きになってもらおうよ」と。

ダンナさんは、しぶしぶ納得してくれました。
(たぶん、アメリカに戻りたいのはダンナさんのほうなのです。)
後日、幼稚園の方へ願書を提出してきました。