私の腕を掴んでいたのは………





「北上君………」





そう、北上君だった。





「北上君……何で……っ」





私が無理やりキスされると思って助けたの??
そんな期待をしてしまう。





「…………」




北上君は黙ったまま、歩いて行く。




「北上君……待って!!」




そう言った私の声に気付いていないかのように去って行った。
北上君が………



「………北上君が、わかんないよ。」




私は涙を流しながら1人で呟いた。