今日一日、北上君とすれ違っても、目すら合わせてくれなかった。




こんな苦しい気持ち、初めてだよ………
好きな人に遊ばれてたなんて、受け入れられない。
北上君がそんな人だとは思えない。
北上君が私を振ったのにはもっと違う理由があるんじゃないかな。
なんて、都合良く考えてしまう。




「梨由っ!!帰ろー!!」





と、実玖ちゃんは明るく振舞ってくれる。




「あのね、今日から隆太も一緒に帰ろ。私と梨由、門でたらすぐ別れなきゃいけないでしょ??だから、家が隣の隆太と一緒に帰ったら安全だし。」





「うん!!」





「おい、早く帰るぞ。」




と、隆太が教室の出口で待っている。