「泣くな。」 部屋の隅でうずくまっている私の後ろから声がした 振り返るとそこには茶色の髪をした私と同じぐらいの男の子がいた 「誰?」 「あんなに一緒にいたのに忘れたのか?」 私を見るその男のこの目は彼とうりふたつだった 「トラ?」 「なに?」 彼は私の隣に座った いつもの定位置 この居心地の良さはトラにしか出せない 「会いたかったー。」 「でしょうね。」 そういってトラは優しく私を受け入れた