「抱きしめてもいい?」




トラはそう聞いていながらも返事を待たずに私を包んだ





「俺はこの人生で一番そばにいてほしい人がそばにいたから後悔とかない。だから、最後ぐらい笑顔でいてよ。あの日さんざん泣いただろ?」




そう言って頭をなでながら私を見てきた




その表情はとても気持ちが安らいだ





「トラ、私もねそばにいれてよかった。」




私は精一杯の笑顔をトラに向けた







だんだんと沈んでゆく夕日がストーン越しにみえた






その時少し焦った





トラとのお別れが早すぎて、まだまだ一緒にいたい気持ちが抑えられなくて









でもトラはかわらず私の隣にいたので少しほっとした