*瑞希side*
「あっつ」
どうも、美波瑞希です。私は、実は人には言えない秘密があるんです。実は、私人魚なんです。童話に出てくる「人魚姫」とは少し違う方法で、人間になれたんだけど人がいるところでプールとかお風呂なんかには入っちゃいけないんです。入ったら人魚に戻っちゃうの。なんで、人魚の姿を秘密にするかって言うと、八尾比丘尼って知ってるかな?人魚の肉を食べて、不老不死になった人のこと。不老不死になりたいって言う人はたくさんいるでしょ?だから、秘密なの。あと、人魚って童話の中の生き物だから言ったら言ったで研究施設とかに連れてかれちゃうのがおちだから秘密なの。
そして、
「おい、大丈夫か?」
「っえ?なんだ空かぁ~。びっくりした~」
「ん」
「あ!ジュースだぁ!ありがとう」
冷たいジュースをもらった。暑かったから、すごくおいしく感じる。
「熱中症だと思ったけど、元気そうじゃん」
「やさしいね」
「黙ってろ」
「あ~、照れてる?」
「照れてない!」
空には、人魚の姿を見られっちゃたんだ。けど、普通の人に見られても誰も信じてくれないだろうから安心してる。まさか、同じ学校とは思わなかったけど。
「なんで、海に入らないんだ?」
…う。この質問どうしよう…。
「み、水が嫌いで…」
「ふーん」
「じゃあさ、足だけとかは?」
「む、無理!!」
「お風呂とかはどうしてんの?」
「ちゃんと入ってるわよ!!」
い、言ってしまった―――!!!たぶん「じゃあ、入れるよね」って言われるーーー!
「なんだそれ」
っふ、と笑われただけだった。
だか…
「お風呂だと思って、入ってみろよ」
えええーーー!
そうなりますか!
「っちょっと、待って!ホントに無理だから!」
「大丈夫♪大丈夫♪」
どうしよう…

