「瑞希ちゃ~ん。校舎案内して?」



「瑞希ちゃ~ん。教科書見せて?」


「瑞希ちゃ~ん。一緒にかえろ?」

あああ!!もう!なんなの!?

あたしの隙を狙っているの?

もう、わけわかんない…。警戒していたあたしがバカみたいじゃん。

「瑞希ちゃん。話があるんだけど、いいかな?」
「なに?」
「あの、ここじゃ話せないから中庭いこ?」
「うん」

今度は何?一体何が目的なの?

~中庭~

「で、なに?」
「アンタ、幸福の人魚一族でしょ?」
「やっぱり。あの時の人魚はあなただったのね」
「ええ。そうよ。あの時の少年、空と言ったわね。空は私がもらうから」
「なぜ?」
「それは、簡単よ。あなたの大切なものを奪いに来たの。友達も居場所も全部」

ふざけないで!空から梨咲にまで危害を加える気なの?

「ふふふ…あなたをこの人間世界に来れないようにしてあげる」
「空も他の子も関係ないでしょ?なぜ、あなたたちは人間との間を切り裂こうとするの?」

彼女は何も答えない。そう、こいつらにとって私たちは邪魔な存在なわけだけだから人間と仲良くしたいではない。私たちをつぶすという、宿命になっているんだ。

「あなたに私が負けるわけないでしょ?」
「それはどうかしらね」

バチバチと火花が散る。

こいつに負けたら、一生人間界には来られない。

きっと、これからいろんな嫌がらせをやってくると思う。それを乗り切らなきゃ!