*瑞希side*

「…ふあ~~」

ん~よく寝た!ん?誰の手…?

「そ、空?」
「…ん?はよ」
「おはようって、違う!なんでここにいるの?」
「なんでって看病してたんだぞっていうか覚えてないんだ…」
「っえ?そうなの?ありがとう」

看病してくれたんだ…。でも、なんで手までつないだ必要があったの?なんだろう…胸がモヤモヤする…。

「昨日まで元気だったのに、なんで急に風邪ひいたんだろうな?」
「っえ?うん、そうだね…」

そうか、空はあいつのこと覚えてないのか…。
私たち人魚は、人に幸福をもたらす人魚もいれば、不幸をもたらす人魚もいる。よく、人魚が現れた海には嵐が起こるってよく聞くでしょ?それは、不幸をもたらす人魚の仕業。
そして、私は幸福をもたらす人魚の子孫。でも、幸福って言ってもそんなすごいことは起きないんだけど、でも効果って言ったら災害が起きないことかな。
そして、昨日空が会った人魚は不幸をもたらす人魚の子孫。あいつは空に毒を入れた。人魚の毒は、人間だと猛毒になる。だから私が引き受けたってわけ。そしたら、高熱が出て…そこからの記憶が無くなったんだ。

それで、私の勘では空は……

ピルルッ

「もしもし?」

「っは?マジ?おい!っちょ…」

なんだろ…

「今日、俺ここで寝るらしい」

え?うそでしょ?

「っえ?うそでしょ?」
「さっき、大地からの電話で言われてさ…」

うそーーー!