*空side*


ザザーン

「ふぁ~…ねむ…」

眠い目をこすりながら、ラッキーの散歩をするのが俺の日課。

俺、中島空。高1の15歳。ラッキーは俺のペットでゴールデンレトリバーなんだ。

「ワン!ワン!!」
「うお!!」

突然ラッキーが吠えて、走り出してしまった。
めったに吠えたり、走り出したりしない犬だからリードをつけていなかった。
まぁ、人を怖がらせない犬だから大丈夫だろう。

「おーい。ラッキー」
「ワン!ワン!!」
「そこか?」

そこには…

「ちょっとー!!なんなのよー!!!」

「は?」

「っわ!やば!!」

バチャーン!!

水しぶきと一緒に消えていった人影は、童話に出てくるような上半身は人で下半身は魚の…
人魚だった。

「ハハハ…ま、まじ?」