「私はね『美』『富』『賢』とかが似合うでしょ?」 髪をセットし終え、可愛らしく首を傾げるお嬢様に「お待たせいたしました」と頭を下げた。 「聞いてるの? 柏原。素直に答えていいわよ」 俺に何を言わせるつもりだ? 「お嬢様は……」 『変』が最も相応しい。もしくは『難聴』もしくは『病的』などなど……だけど言えないよな。 「貴女は、言葉では表しがたい存在です」