「此処に住んでいるですよ」 見ると棗先生は酔っているのか赤い顔で足取りも不安定だ。 「奇遇ですね。俺も此処に住んでます」 最上階のボタンを押そうとすると、手と手が触れ合いヘラヘラと笑う棗先生。 「奇遇ですね」 「ええ、本当に」 くそっ、知らなかった。なんで紫音家所有のマンションに教師なんて住まわせておくんだ。これじゃ迂闊に女も連れ込めなくなる。