────回復力までもが常識外れた我が茉莉果お嬢様。
看病で寝不足気味であり、一晩中彼女を抱きしめていたことによる、この悶々としたわだかまりのようなものを抱えてしまった俺に対する労いの言葉などは一つもない。
そして、今日も主人のどんな些細な事も聞き入れるのが有能な執事たる勤めである。
「柏原。私、オープンカーをかっこよく運転してみたいの」
可愛らしく両手を合わせてお嬢様は無謀な事を言う。
「私、運転免許証が欲しい」
それは……大問題だ。
例え明日で地球が滅びるとしても避けなくてはならないだろう。
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