気丈に振る舞っていても、常識から外れていても、彼女の心はまだ子どものままだ。 小さくため息を吐き出し、熱い身体を抱き締める腕に力を込めた。 「今夜はずっと傍におります」 「うん……」 可笑しくて笑えてくるな? こんな小娘にとことん振り回されていても、可愛くてたまらないんだ。 貴女が少しでも安らかな夜を過ごせるならば、一晩中抱きしめてやりたいと思う。それも執事の仕事でございましょうか? 第10話に続く