しまった。発熱だ。


 白く陶器のような首筋はかなりの熱い。呼吸も苦しそうだ。

 仰向けに寝返りをうたせて、胸元のボタンを二つ外す。

 熱い吐息に罪悪感が押し寄せる。



 着替えを用意して、解熱剤に氷枕それから…… 頭にプランを描いて、一番無駄なく彼女を楽にさせてやる方法を考えた。


 今夜は徹夜だな。

 それで、彼女の体調が良くなるなら徹夜なんてお安い御用だ。



「待って……柏原。行かないで」


 辛そうな呼吸と掠れた声


「すぐに、戻ります。お風邪を召されてしまったようです。申し訳ございません」