「そうですか。 すぐに準備しますので、お待ち下さい」 先日の、惨事を忘れたわけじゃない。真新しいクロスを、再度張り替えるのは御免だ。 目を離さなければ、クッキーの型作りくらいは、任せても大丈夫だろうか……今度こそ絶対に目を離さないぞ。 「ありがとう! 柏原、大好き!」 茉莉果様は、自身も腕捲りをして手洗いした。 ついでに、顔も洗っていた。 白いタオルにその可憐な顔を押し付けて、「これで準備オッケー」と言った。