「いいわよ、仕方ないから待ってあげる」
お嬢様に、頭を下げすぐにクッキーの調理にとりかかる。
最近思うのだが、彼女はたまにわざとああやって主らしく振る舞おうとしているような気がする。
俺を使用人として蔑み、わざとらしく自分を優位に持っていく。
考えすぎだろうか? そうやって自分の居場所を作っているように感じてしまうのは……
ジャケットを脱いで、タイを緩めた。白いシャツの腕を捲りあげているとキッチンのドアからひょこんと顔だしたお嬢様。
「私、手伝うわ」
またか……非常に、ご遠慮願いたい。
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