「ウデズモウですか……?」


 ダメだ。もう一度、日本語を一から学び直さないとならない。

 両親は日本人だが、俺は日本に行ったことがない。


 執事を余裕でこなすには、先ず“ウデズモウ”とやらを学ぶ必要があるらしい。





「柏原くん、男は力なのだよ! いざって時に、愛しの女性を全力で守れような巧まし男になら……安心して可愛い娘を任せられるだろう」


 なるほどな……



「さようでございますか。“チカラ”でしたらお任せください。どんな勢力にも屈しない覚悟はございます」



 ニヤリと上がりそうになる口元をこらえる。従順な執事はどんな顔するんだろう?


「そうだろう! 自慢じゃないけど、僕は腕相撲は負けたことがないんだよ。柏原くん」