離してよ! と暴れだした彼女の顎を自由にしてやる。 「それに! おばあ様から、英語は教わっていたわ! 柏原に教えてもらわなくても大丈夫よ!」 「ほう……それは頼もしい」 先代との面識は病院のベットの上で、ほぼ虫の息の状態でしかない。 聞いた話だと、厳しく威厳のある女性だったそうだ。戦後のこの国で、女主として紫音家を一人で支えてきたという。 「マヨネーズ、茉莉果!」 「My name is……と言いたかったのなら、縛り上げますよ?」 「次いくわよ?」