彼女の表情がかわる。たまに彼女は、支配されることを自ら望んでいるのでないかと思わせる表情をみせる。 「いかがですか? お嬢様」 「柏原……貴方、相変わらず腹の中までドス黒いわね?」 お嬢様は、はっと我にかえると、ひきつった笑みを浮かべた。 「いえ、これが私なりに必死に考えた結果でございます」 拘束したままの姫。その頬に手を添えると薄紅色した唇を奪う。 童話など、所詮子供に聞かせる為のまやかし物だ。 ……現実はそんなに甘くないぞ。お姫様。 第20話へ続く