彼女は、こう祈るだろう。 『足が欲しいわ。というか執事が欲しいわ、なんでもいいから自分で泳ぐなんて生活嫌よ』 すると、辺りは光に包まれる。 次に人魚姫が目覚めたのは日の光が溢れる浜辺だった。 長い睫毛が揺れて目を覚ますと、ゆっくりと体を動かす。 息を呑む。 光沢のある尾びれが、二本の足に変わっていたのだ。 「お迎えにあがりました。お嬢様」 そして人魚姫は、いつまでも執事と幸せに暮らしましたとさ。 めでたしめでたし。