そうだ、夜風にあたろう、とスイートテラスに出た。
今夜は眠れそうにない。ジンのボトルとグラスと氷を並べて強めの酒をつくる。
女なんてどいつも同じで、自分のペースに巻き込みムチャクチャに抱いてやればいいと思ってきたのに……
どうして彼女には、それができない?
喉を熱くたして脳内へと抜けるような強いアルコールに目を閉じた。
潮風が髪を揺らす。
デッキに足を投げ出した。
「狂わされてる…………」
声に出して、敗北を認めた。俺は彼女に狂わされてる。
おしまい。
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