─────真っ白なオートクチュールのワンピースに、同素材の大きめのハット。彼女のために世に作り出された逸品だ。

 それを可愛いらしく着こなした彼女は怪訝な顔をしている。



「柏原! ここがバラバラ島なの?」


 眉を潜めるお嬢様の手をとりニッコリと微笑む。


 ホテルのロビーから広がるあまりに美しい風景に圧倒されそうだ。




「ボラボラ島でございます。お嬢様」


「柏原……綺麗なところじゃない……」


 だから、何回も言ってるだろ?



「お嬢様、学園の方々が集合していますよ。

 私はこのホテル内で待機しております。ご学友とのオリエンテーションを楽しまれてくださいませ」