目眩がしそうな数の水着を睨み付ける。 俺は執事だ。 彼女に似合うものは、俺が一番よく理解していなければならない。 よく見ると、布みたいな……? なんだ、これは? サンドレスか……? よくわからないが、そんなものが付属している水着があるじゃないか。 「柏原が選んでくれるの?」 フィッティングルームから顔だけをヒョコっと覗かせたお嬢様に、優しく笑いかける。 「えぇ、貴女に似合うものは私が熟知しておりますので」 「ピンクが、いいわ。ピンクにして」 「勿論でございます。お嬢様」