タヒチ
 ボラボラ島。


 最後の楽園とうたわれ、美しい海と、水上コテージが浮かぶ素晴らしい最高級リゾート地。


 そんなところに行きたくても中々行けないものだ。



「お嬢様、首だけの死体も、殺人鬼もいませんよ。大丈夫です。私が保障いたします」


 主のかけるソファーの麓に、片膝をつき優しく語りかける。


「旅行の準備にショッピングなどいかがですか? 新しい旅行カバンと、水着などを購入されたほうが良いと思います」


「本当に?」


「えぇ、大丈夫ですよ」



 一番大丈夫ではないのは、貴女の脳内だけですから



第17話へつづく