腕の中の彼女に、盛大なため息を吐き出した。

 
「お嬢様、学園に確認いたしますので少々お待ちください」



「首が転がってるのよ! 殺人鬼がまだ潜んでるに違いないわ。柏原、絶対殺されなさそうじゃない! 殺人鬼なんて眼力で殺せるでしょ?」


「お嬢様、お言葉ですが私を化け物扱いなさらないでください」



「柏原なら、死体とか慣れてそうだもの!」



 そんなわけ……ないだろっ! 俺は、殺し屋か!


 くそっ!



 ブツブツ呻くお嬢様に一先ず甘いマンゴーティを餌付けして黙らせた。



 そして学園に確認の電話をしてみた。


 すると『当学園の修学旅行は毎年、タヒチにあります。"ボラボラ島"を予定しております。生徒達にはのんびりとした時間と、自然観察をし地球環境を語り合う上で欠かせないものを体感してもらいたいという趣旨で────』


「よくわかりました。ありがとうございます」


 通話を終了して、また最大級のため息を吐いた。