「お嬢様……

 私とは、また別の機会に二人きりで行きましょう。いつでも行けるではないですか、先日のスコットランド旅行もしたばかりですし……今回はご学友との旅行をお楽しみくださいませ」



 俺だって断腸の思いだ。

 こんなにも可愛らしいお嬢様を、片時だって手放したくないのが本音だ。




 潤ませた円らな瞳は、もはや犯罪に近い表情。


 この人にこんな顔を見せられて理性を失わない男など存在しないだろう。



 お嬢様の頬に手を添えて、そっと微笑む。



 今なら……唇への距離が縮まる。



 彼女はどんな反応をするのだろう?